in action

伝統パッケージの解剖

包むの原型を視るー内包される多面的な美ー

後藤 めぐ

アニメーション、ダイアグラム、グラフィック
8号館 220

ふと包装容器でいっぱいになったゴミ袋が目に留まった。大学でデザインを学ぶにつれ、パッケージデザインに主な興味があった私は、このような現代の包装の在り方に違和感を持ち始めた。
そんな中、デザイナー岡秀行著「日本の伝統パッケージ(1965年美術出版社)」という本に出会った。直感的にこれだ!と感じた。そこには木や竹、藁のような自然素材を利用し、且つ日本各地に根付く庶民の知恵によってうまれた包みが数多く収録されており、岡氏はこれらを「伝統パッケージ」と名付けた。
私がこれらに惹かれたきっかけはその造形美であったが、だんだんとその背景にも関心が広がり、自ら造形の再現を試みた。これは同時に造形の解剖でもあり、こうしたリサーチから伝統パッケージは実に多面的な「美」を内包していることに気がついた。その中には、現代の包装の在り方を見つめ直すきっかけとなるような、人間の自然への姿勢も垣間見えた。今回の展示では、それらを複数のチャンネルを用いて視覚化することにした。

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