視覚伝達デザイン学科卒業・修了制作展 2024
好きなものに飛び込んでみる。見つけたものを集めて並べる。観察を通じて、発見が積み重なり、新たな視点が浮かび上がる。近づいてじっくり見たり、遠くから全体を捉えたり、視点を変えることで異なる表情が見えてくる。
それぞれの学生による発見の集積と、対象に向き合う姿勢が織り成す形。それらが一同に揃う場をぜひご覧ください。
ご挨拶
視覚伝達デザイン学科の卒業制作の特徴は、その幅広い領域にあります。そのカリキュラムは、まず自分自身の身体に備わる多様で精緻な感覚に意識を向け、世界と向き合うあらゆる知覚の覚醒を促す基礎課程から始まります。その後、身体と外部をつなぐさまざまなメディアの特性を実践的に学びます。こうした学びを通して、広がる世界への自覚を深めながら、自己表現の可能性を広げるための知識とスキルを磨いてきました。
また、家族や友人といった小さなコミュニティから、社会や地球全体に至る多様な世界との触れ合いを通じて、コミュニケーションにおける課題を発見し、具体的に展開するための方法論と哲学を習得してきました。本展は、学生一人ひとりが持つ優れた可能性と、教員、スタッフを含む本学科全体の創造的な「場」が生み出した化学反応の集大成と言えるでしょう。
本学科がこうした特徴を持つに至った背景には、もうすぐ100周年を迎えるその歴史があることは間違いありません。その歴史を象徴するのが「造形」という学部名称です。英語表記ではArt and Designと訳されていますが、これはこの言葉の本質を十分に表してないように思われます。造形は20世紀前半の芸術・デザイン運動の中で使われたドイツ語「Gestaltung」の日本語訳であり、この言葉はArtとDesignを分けていません。また「ゲシュタルトゥング」は時としてdesignと訳されることもありますがこれにも違和感があります。この言葉は単なる物質的な創造だけでなく、その過程での思考・構想、構築行為全体を指しています。デザインの背後にあるアイデアや意図が物質として具現化する課程全体を含みます。アートはもとよりその対象は都市計画や建築、日常生活に用いられるあらゆる人工物、デジタルネットワーク、ヴァーチャル空間まで含まれます。
そのように考えると、本学科の卒業制作は若い創造者たちによる「造形」に対する果敢な実験的、実践的試みの発露なのです。
開催概要
2025年
1月16日[木]から1月19日[日]
9時開場、17時閉場(最終入場16時)
武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス
〠 187–8505 東京都小平市小川町1–736
- 西武国分寺線「鷹の台駅」より 徒歩18分
- JR中央線「国分寺駅」北口より西武バス「武蔵野美術大学」行き、
又は「小平営業所」行き 乗車時間 約25分 - JR中央線「立川駅」北口より 立川バス
「武蔵野美術大学」 行き 乗車時間約25分
会場案内
本年度の視覚伝達デザイン学科の展示場所をまとめた
展示図録
今年も数量限定にて、本年度の卒業制作の作品を掲載した