[授業概要]
記号論のデザインへの応用は、20世紀初頭のシンボルの哲学、Ch.W.モリスの記号論から始まり、視覚言語、ニューバウハウス、ウルム造形大学の研究をへて、今日では諸デザイン領域の基礎的な理論としてますます重要になっている。
デザインを単なる形(かたち)の表現やメディアの表現技術の狭い範囲で考えるのでなく、表象(記号)とその対象とそれを用いる主体(解釈項)の相互関係、そして、表象を用いる主体の習慣や行動とその文脈などの記号過程という視点から、デザイン活動をユーザーとの相互作用のプロセスや媒介を動的に考察するためのデザイン理論として記号論は欠くことができない。
この授業では記号の理論的な理解とデザインへの応用演習によって、デザインの対象である表象(記号)が生活の中でどのように役割を果たしているのか、表象の基本的な特質と構造と機能はどのようになっているのか、表象の意味と価値体系はどのように創り出されるのかなど、ヴィジュアル・コミュニケーション・デザインにとって重要な記号の理論と方法の研究をする。
[種別] 大学院1年生 – 通年