4年前、春うらら。
武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科に入学した私たち。
なんとなく、ただがむしゃらに過ごした時間も光陰矢の如し、気がつけば卒業制作。
この4年を振り返ると、濃厚な経験と学びの数々。十分なほどの時間を過ごしたけど、まだまだ何か足りないと感じてしまう焦りと不安の中、2015年度の卒業・修了制作展に作品たちが集いました。
4年生の4月から、ゼミの始まりと同時に、翌年の1月に開催する卒業制作展に向け制作が始まります。
“ほぼ1年”もの制作期間。何をしたらいいのか、どう時間を使えばいいのかがわからない途方も無い時間。
研究すればいいのか。
ただ作り続けるのか。
考え続けるのか。
趣味の延長をみつけるのか。
なにも見つけられ無いことが分かるのか。
何もしないのか。
130人近くの視デ生がそれぞれが使った“ほぼ1年”の時間が、形になりました。
後輩や友達に助けられながら、短い設営スケジュールで、なんとか展示準備を仕上げます。
大学の4年で得るものは、学びや経験だけでないと誰もが感じる大切な時間です。
この後むちゃくちゃ奢ってあげたことでしょう。
設営後、すぐに訪れる講評会。
学科で行われる最後の講評会、作品のプレゼンテーションに4年の重さがのしかかります。
途方もない時間に、実感の湧かなかった卒業制作。
全てが自分ゴトに変わった瞬間、作品は鮮やかさを放ち、プレゼンテーションに魂が篭ります。
明確な台本がなくとも、口下手でも、ポロポロと言葉がでてくる友人のプレゼンに、驚きと感動を覚えました。
いい作品は人の感情を動かすもので、
氷のように固まった教授の表情が、笑顔に変わる瞬間もありました。
うまくいく人行かない人、
楽しめた人、そうでない人、
多くの失敗と成功の数々。
ドラマみたいなそうでないような、たくさんの出来事が過ぎ去り、
無事、卒業制作展を終えることができました。
「卒業制作の裏側」 完
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