タイポグラフィ/白井クラス、木村クラス、鈴木クラス、渡邉クラス、本多クラス(1年生-通年:9月末まで)

先生からの授業説明]
レタリング、活版印刷実習、フォント制作等の課題を通して、情報伝達の重要な要素である活字書体の成り立ちを知り、形状を理解し、基礎的な構成力を身につける。そして同時に文字に対する興味や関心を喚起する。木村文敏-非常勤講師)

形態 – 種別] 実技 – 必修授業

授業概要]
私たちは、日々おびただしい量の情報の中で生活をしています。とりわけ文字は、視覚情報の大半を占めています。使われている文字は、印刷物やデジタルメディアに使用されることを目的にデザインされた、活字書体(タイプフェイス、フォント)と呼ばれる記述言語です。
 小学校の教科書に使われている書体、中学校・高等学校の教科書の書体、毎月買っている雑誌の書体、愛読書の小説の書体、駅のホームで目にするサインシステムの書体、スマートフォンの書体、コンピューターの表示用の書体……。これらはどのような形をしているでしょうか? それらの文字書体をよく見るとそれぞれに異なった表情を持っていることに気付かされます。その表情の差異は、文字の形だけでなく、サイズや太さ、あるいは字間・行間、一行の文字数、句読法など、文字が文章として組まれた時の造形よって異なる表情が与えられているのです。
 文字は、身体(肩、腕、手)の動きの延長線上に形として現れます。そしてその形は言語を理解する者同士の共通項の形として成立することで意味を持ち機能を果たします。書体の形は、どうしたら見やすく、読みやすく、内容を適切に再現し、あるいは表現できるのかと、造形的にいろいろな工夫がなされた結果なのです。
 この講座名のタイポグラフィという言葉は、文字活字を扱うコミュニケーション・デザインの分野のことを指しています。したがってこの講座では、造形の基本としての象徴「文字、そして文字活字の歴史と活字生成のメカニズムを通して、視覚制御の原理と方法を学びます。手で書かれた文字が、どのようにして造形として成立し活字書体となるのか。その過程を学生自らが実技・実践し、理解する授業です。