空間構成Ⅱ(2年生選択-後期)

授業概要]
 ミセルコト。これがデザインだと思っています。見えていないものをミセルコト=可視化することで問題を解決する行為です。
問題とは何か、例えばメーカーによる経済活動、地域や行政における社会活動、マクロではユニバーサルや環境問題など、モノやコトへのニーズが考えられます。問いは社会の中で存在するのでその目的の元と末には人が関わります。つまり問いの答えは、コミュニケートになります。ミセルコトには、見せる」ことと同時にそのコミュニケートに必要な二つの意味を含みます。それが「美(ミ)せる」と「魅せる。対象に美しく魅力的な答えを提供することです。
土曜日の授業では、身近な存在として使用している紙にスポットを当て、紙モノ」として素材の表現域を広げるとともに、ミセルコトが制作の中でどう関わってくるかを理解します。まず前半〈紙に慣れる〉では、自分のイメージを紙を素材として美しく定着するために、プライオリティを整理しながらそれに適した加工法を模索します。後半〈ムサビの紙モノ〉では、コミュニケートする対象を魅了するアイデアとは何か、対象の視点から発想を展開する客観視をポイントに、答えとなる「紙モノ」を可視化してもらいます。

 並行して、金曜日の授業では造形学と現代美術の思考に触れる機会を設けます。
デザインには関係のなさそうなこれらですが、ミセルコト」を手段にしていることに変わりはありません。またこれらに共通している重要な点は、まずは見る事にあります。ミセルコト」と「ミルコト」この相互関係を意識しながら授業は進んでいきます。
具体的には、Google ストリートビューを使い、モニターに映し出される風景から立体模型(建築模型の様なものを想像してください)を制作し、そこに自分の思考を+αした立体造形作品を制作します。
大量に流れ込んでくるモニターからの情報をどう処理するのか。行ったことのない場所へどうしたら身体性を持って接することができるのか。それらの根拠をどの様に記録して第三者にミセルコトができるのか。皆さんの柔軟な思考を期待しています。

授業方法]
受講生と相談しながら、ムサビでの対面授業とリアルタイム(同時双方向)Zoomによるオンライン授業を使い分けて行います。ライブで作品に触れる必要がある場合は対面授業で、それ以外の学生間でのディスカッションや制作状況の共有と、講師と学生による個人単位での面談はオンラインで進める予定です。必要なテキストの配布や授業外での質疑応答はTeamsの使用を考えています。

到達目標]
コンセプトからアウトプットまでのデザインのプロセスと構造を理解し、デザインを客観的な視点で捉えられるようにする。

授業計画·課題に対するフィードバック]
金曜日 鈴木〈ジオラマ制作〉

課題:Googleストリートビューから起こした住宅の模型から、そこに住む人の生活を想像し、様々なリサーチ方法を用いて視覚化し、作品とします。

(*週の進行は授業の進捗を見ながら調整する場合があります。状況によっては授業時間内での実作業も可とします)
       
1 ・授業概要
 講師の仕事紹介
 レシピ講評
2 ・ロケーションの選定の方法説明
 ロケーション選定作業
 リサーチ方法の説明
 HW:ロケーションの国と地域の文化、社会経済情勢などについてリサーチする。
3 ・モニターから身体性を獲得するための方法論
 リサーチ結果の発表
 リサーチ結果を形に落とし込む方法
 (自分の興味とロケーションをどう結びつけるか)
 HW:模型制作のためのスケッチ
4 ・スケッチの発表
 模型制作の方法説明
 HW:ベース模型制作
5 ・ベース模型のチェック
 HW:ベース模型制作
6 ・ベース模型のチェック
 HW:ベース模型制作
7 ・ベース模型のチェック
 HW:ベース模型制作
8 ・ベース模型のチェック
 ベース模型にリサーチ結果ををどう付加し、視覚化するかの方法を考える(アップグレード)
 HW:アップグレード模型の制作
9 ・アップグレード模型のチェック
 HW:アップグレード模型の制作
10 ・アップグレード模型のチェック
 HW:アップグレード模型の制作
11 ・アップグレード模型のチェック
 HW:アップグレード模型の制作
12 ・講評

土曜日 飛山〈紙に慣れる〉

課題:自分のレプリカをつくる
素材は紙のみで自立すること(接着可)

1 ・授業概要
 コミュニケーションプロセス
 レシピ講評
 HW:レプリカのイメージスケッチ
2 ・イメージスケッチの共有
 デザインとアートのグループディスカッション
 HW:レプリカ構造試作
3 ・レプリカ構造試作の共有
 HW:レプリカ制作
4 ・〈紙に慣れる〉授業内プレゼン
 HW:紙モノリサーチ

〈ムサビの紙モノ〉

課題:MAUGOODSをつくる
素材は紙のみで販売想定(要パッケージ)

5 ・紙モノの現状に関するグループディスカッション
 遊べる紙モノ
 HW:コンセプトのテキスト化
6 ・コンセプトの共有
 デザインを仮名10文字で語る
 HW:素材開発とアイデアスケッチの制作
7 ・アイデアスケッチの共有
 HW:紙モノの試作
8 ・試作の共有
 HW:紙モノの制作
9 ・紙モノの共有
 HW:紙モノの制作
10 ・紙モノの再共有
 HW:ブラッシュアップ
11 ・〈ムサビの紙モノ〉授業内プレゼン
12 ・合同発表会

履修上の留意点]
教職課程登録者必修になります。
授業は講師と学生のコラボレーションによって成立します。問題があれば進行しながら柔軟に対応するつもりです。学生の皆さんのポジティブな参加を期待します。必要な書類は事前に配布しますので授業前に確認してください。
制作の進行状況を共有するため、制作データが入ったノートパソコンで授業に参加してください。

準備学習内容・時間の目安]
授業内ではディスカッションや個別チェックが主体となるので、課題に対する思考や制作は各自事前に取り組んでおく必要があります。

成績評価の方法]
授業の出欠席·理解度、作品の提出などにより総合的に評価します。

テキスト]
授業内で提示します。

形態 – 種別] 実技 – 選択授業