[授業概要]
空間構成IIでは、遊びを共通のテーマとしながら、基礎過程の最後としてデザインとアートの両面から制作の基本プロセスについての理解を深めてもらいます。
デザイン
ミセルコト。これがデザインだと思っています。見えていないものをミセルコト=可視化することで問題を解決する行為です。問題とは何か、例えばメーカーによる経済活動、地域や行政における社会活動、マクロではユニバーサルや環境問題など、モノやコトへのニーズが考えられます。問いは社会の中で存在するのでその目的の元と末には人が関わります。つまり問いの答えは、コミュニケートになります。ミセルコトには、「見せる」ことと同時にそのコミュニケートに必要な二つの意味を含みます。それが「美(ミ)せる」と「魅せる」、対象に美しく魅力的な答えを提供することです。
授業では、積み木をメディアとして捉え、立体に対する表現域を広げるとともに、ミセルコトが制作の中でどう関わってくるかを理解します。まず前半〈形と遊び〉では、スタイロフォームによる立体造形を基本に、2種類の形のみで子どもに遊びを提供するという条件で、自分で設定した問いに沿ってプライオリティを整理しながら答えを模索するプロセスを体験します。後半〈遊びと積み木〉では、コミュニケートする対象を魅了するアイデアとは何か、アイデアの発想法と対象の視点による客観視をポイントに、新たな遊びを提供する答えとなる積み木を可視化してもらいます。
アート
ミルコトを徹底します。物事を深く観察することは世界に細部を与え、独自の視点を獲得することに繋がります。
授業では、「遊びについて」と「素材について」という題を設け、学生個々人の視点の強化を図ります。前半の「遊びについて」は主に人間の観察です。ルール作成とそれを逸脱する行為の連続で遊びは出来ています。それを実体験し、構造の解体と再構築について学びます。
後半の「素材について」は前半で学んだいくつかの視点を利用して、ジオラマを作ります。こちらは素材の観察と造形理論の実践が主になり、立体造形物上で観察者の視点をどう操作し、作者の意図まで導くかを学びます。
[形態 – 種別] 実技 – 選択授業