視覚伝達デザインC(4年生ゼミ-通年)

形態 – 種別] 実技 – 選択必修授業(ゼミ)

授業概要]
本ゼミは基本的に紙媒体を中心とした、書籍、雑誌、絵本、V.I.、パッケージ、そしてイラストレーションなどを主軸に展開されるグラフィックデザインを主とする。なかでも記述言語によるコミュニケーションへの考察と研究、およびその実技・実践を主眼とする。つまりタイポグラフィを基底としたゼミとなるのだが、タイポグラフィの示す領域を狭義と捉えるか広義と捉えるか――、いずれにせよ広範なる記述言語と視覚言語による伝達の歴史と現在について学ぶ。と同時に、言語と自己とがどのように向き合うのか、その発見とスタンスを明確にする事にある。言葉とは何か、文字とは何か、書籍とは何か、伝えるとは何か、本質とは何か、身体とは何か、と、自らに問いかけることが大きなテーマとなるであろう。
 授業の進行は、卒業制作を主とする実技・実践(調査、観察、体験、分析、執筆、編集、デザイン)を通じて具体性を持ったメディアへの展開を見据えたものとする。
 卒業制作のテーマは各自自由に設定。テーマ設定を元に、徹底したリサーチとそれに基づく執筆、さらにビジュアル制作に臨むべく、造形形成のために修練を積み重ねる。身体と理性(思索と言語、そして、それを支えるものとしての文字組版と書籍形成。タイポグラフィそのものをテーマとすることも自由である。
 和文、欧文にかかわらず書体、組版(組体裁、表現形式、紙、印刷、製本などタイポグラフィおける知・美・技の領域を、前期前半で改めて再確認(基礎の復習)しながら卒業制作は進行してゆく。
 具体的成果物としては、ブックデザイン、エディトリアルデザイン、ポスター、フライヤー、ジン、タイプフェイスデザイン、ビジュアル・アイデンティティなど、多岐にわたる視覚言語の領域(メディア)に応用展開されることを想定している。
 このように本ゼミにおける卒業制作は、視覚による言語の伝達に還元・集約される事を目標とするが、そこからこぼれ落ちる様々な非言語情報、心理、感情、身体性、さらには文化、風土などについて考察する事も重要事項として付記しておく。