視覚伝達デザインI: (4年生ゼミ-通年)

形態 – 種別] 実技 – 選択必修授業(ゼミ)

授業概要]
このゼミは、学生が1年から3年の間に身につけてきた、デザインとは何か」デザインをするとはどういうことか」に関する思考、方法論、それらの仮説を活用し、統合する場である。自らの持つ感性と知性と制作力を本活動につぎ込むことで、デザインとは何か」デザインをするとはどういうことか」という問いに対する自分なりの答えを見いだすことを目標とする。その位置付けは、卒業後おのおのが、社会において自律的に「デザインをする人生」を続けていくための基盤を作ることである。
ゼミの最初の段階では、まず自分がこれまで出会った、自らのこころを動かすもの」を振り返って欲しい。これだけは誰にも譲れない、個人的な「心の動き」を活動の着想とする。カテゴリーは問わない。自分の体験でも、観察した事象でも、物や人や作品でも、それがネガティブでもポジティブでも良い。一方、決して自分を欺いてはならない。ゼミメンバーとのディスカッションを通じて、他者と自分との鏡のような関係性、他人がいるから自分がわかるという体験を大切にする。
次の段階ではリサーチを行う。そのような「心の動き」とは「何なのか何が」もっとも大切なのか、なぜ」そうなのか。文献調査、フィールドワーク、実験、Research through Designなど、複数のリサーチを通して徹底的に自分に問う。リサーチにその雛形はない。手法をクリエイティブに構想し、勇気を持って社会や他者、歴史と繋がり、記述を重ねて行くことで、個人的な「心の動き」に新たな視点や解釈、メタな認知を得る。このフェーズでは、自分とは、社会・歴史・他者と鏡のような関係性にあるという体験を大切にする。
三段階目は、二段階目のメタな視点を持って、個人的な経験を社会や他者と共有するためのコミュニケーションの形態を探るフェーズである。ここでは構想・制作・試すことを繰り返す。その中で予想だにしなかった、新たなコミュニケーションの形態と出会って欲しい。頭の中のプランと、実社会に形態をインストールした時に起きる現象とのインタラクティブな関係性に着眼しつつ、その形態を進化させてゆく。
最終段階は、これまでの一連のデザイン行為の中で見つけた、物語を紡ぐ段階である。プロセスと結果をどのように見せ、どんな言葉を使って語るか。その思考の中で、デザインとは何か」デザインをするとはどういうことか」に対する解を自分なりに見つけるフェーズである。