「マリク書店の光芒:ハートフィールド、ヘルツフェルデ兄弟とグロッス」

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期 間|2015年10月1日(木)-11月30日(月)※11/3(火・祝)は特別開館
時 間|10:00-18:00 ※土曜・特別開館日、10/20~30は17時閉館
休館日|日曜・祝日
会 場|武蔵野美術大学 図書館展示室、大階段
入場料|無料
監 修|寺山祐策(本学視覚伝達デザイン学科教授)
主 催|武蔵野美術大学 美術館・図書館
◇ギャラリートーク
日 時|11月21日(土)14:00-15:30
場 所|図書館展示室、大階段
出 演|寺山祐策(本学視覚伝達デザイン学科教授、本展監修)
    ベンヤミン・フィツエンライター(本学大学院造形研究科博士後期課程)
    本庄美千代(美術館・図書館、本展企画担当)
http://mauml.musabi.ac.jp/library/archives/774#more-774

当館には、アメリカの大学で長年図書館館長として尽力する傍ら、デザイン史研究者としても活躍していたジェームス・フレイザー博士から15年間にわたり段階的に譲り受けてきた膨大な近代デザイン史研究コレクションがあります。
本展では、これらのコレクションの中から、1916年にドイツのベルリンで創設された「マリク書店」とその周辺に関する貴重資料110点余りをご紹介します。
ヴィーラント・ヘルツフェルデ(1896-1988)、その兄ジョン・ハートフィールド(1891-1968)そしてジョージ・グロッス(1893-1959)らが中心となり活動していたこの左翼系出版社は、第一次世界大戦前後からナチス第三帝国の激動の時代を生き延びて、1947年にその活動の幕を下ろすまでの30年間で320点余りの書籍や作品集を労働者の手に届けました。
本展覧会は、これらの出版物を通して「マリク書店」の活動の歴史を再検証し、その中軸を担った3人の役割や関係について明らかにします。
またそこには20世紀前半におけるダダ運動やロシア構成主義など、国境を越えたデザイナー、アーティスト、作家との相互関係の中で産み出されたフォトモンタージュやニュータイポグラフィなどグラフィック・デザインにおける視覚表現の大きな変革の経緯を見ることができます。とりわけ、ジョン・ハートフィールドがフォトモンタージュ技法を駆使して制作したプロパガンダ雑誌『AIZ(労働者画報)』や50点余りのブックデザイン作品などを一堂に公開する試みは本展の見どころの一つです。これまで知られることの少なかった「マリク書店」の光芒の軌跡をご覧ください。